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社長ブログ

研修は自分を磨くチャンス

 先日、web講演会「最近の企業内研修」に参加しました。日本の企業内研修の先駆けはソニーで、当時の出井社長の号令のもと、会社の将来を担う人材育成として始めました。それまでは外部の研修会社に丸投げしていましたが、社内ニーズを捉えて企業内で自前の研修をすることの重要性に気づき、方向転換しました。
 近年の新社員は、自分の成長が実感できないと感じたら会社を辞めていく傾向にあるそうです。そのくらい社内研修は、社員の成長に寄与する内容で、且つ企業の目指す姿に沿った進め方が必要になっています。

 私にも、今の経営に活かした研修があります。30歳半ばで管理職になった時、異業種交流会の研修で学んだことは、「企業の差別化は人間力である」でした。その頃は全国展開のファミリーレストランやコーヒーチェーンが山陰にも押し寄せてきた時期でした。チェーン展開を拡大するノウハウは、素人をマニュアル通りに接客できるように指導して、一人前の接客サービスができる人材に速成することでした。ただ、マニュアル通りに動いて一人ひとりのお客様の満足を定型化してサービスするならどこでも同じ様な店づくりです。講演会の後、店の差別化には何が必要なのかと深耕して、一人ひとりの個性が発揮できるサービスに差別化があると結論付けました。たとえば、家族で誕生日をお祝いする来店だったとき、ケーキに名前を添えてプレゼントする、これはマニュアルにはありません。お客様のニーズを何気ない会話から引き出して自ら提案できる従業員の人間力、それを「良し」として調理場で名前を入れるコックを創り出すことが他社との差別化です。
 その後、弊社の企業理念を創るときの第一に、「人間力と技術力が会社のブランドである」を入れることにしました。

 経営幹部になってから受けたマネジメント力強化の研修では「不屈不撓(ふくつふとう)の行動」を学びました。具体的な事例として、お客様の要望には「できない」を言わないことを徹底的に叩き込まれました。要は、自分の考え方に固持しないスタンスを持てること、そして成功するまでくじけない不屈の闘志を継続する行動力です。
 お客様の要望に「できない」の第一声は、これまでの自分の立場で判断しているだけで、相手の立場になってみると「できない」はあり得ません。この立場を変えて見ることができる発想の転換力を身につけることです。
 この研修から知見を深めて、企業理念の二番目「お客様の立場に立って行動する」と三番目「熱意を持って行動する」を決めました。

 今年の研修は、適材・適所・適時を基本にしています。一つひとつの研修チャンスをどう活かすかは、自らのスタンスにかかっています。

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