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東京オリンピックへチャレンジ

 2020年東京オリンピックが決定しました。前回開催が昭和39年ですから、なんと56年ぶりの開催です。当時小学校5年生だった私は、学校から帰ったらテレビにかじりついて、マラソンで3位になった円谷幸吉のこと、女子バレーで優勝した「東洋の魔女」は鮮明に覚えています。
 さて、オリンピック誘致については賛否が分かれるところですが、15年以上も続いたデフレ脱却を目指すアベノミクスにとっては、この上ないカンフル剤になると思っています。しかし今、世論の大勢は開催決定に好意的ですが、これまでに無い大きなことをしようとすれば規模が大きいほど抵抗勢力は力を出すものです。
 振り子の論理では、事を成すための振り子幅が大きくなればなるほど、反対に振れていく幅も大きくなると言われます。これからは新たな施設の建設や予算繰りなど、現実的な課題を前にすると、立ちはだかる障害も増えてきます。
 プレゼンテーションでの安倍首相の福島原発の汚染水について「完全にコントロールされている」との発言をしました。対してその後民主党の集会では東電担当者による「コントロールはできていない」との発言がクローズアップされました。この相対する二つの意見を正しくとらえ、首相が世界に約束をした「福島原発汚染水処理のコントロール」を実施していかなければならないのは日本の国としてのチャレンジでしょう。
 このチャレンジする精神を持つことこそ、我が国の発展にとっては不可欠のものであり、デフレ時代の政治家に足りなかったことではないでしょうか。振り返って私たち企業の経営にとっても、今こそ大いなるチャレンジをしていかなければなりません。
 このチャレンジ精神を持つことは、企業の経営にとって成長の根源となるものであり、社員ひとり一人に求められることです。たとえば、今まで未経験の新しい業務に向かうとき、上司は自ら経験がある場合に自分が先頭に立ちがちですが、部下育成の面からは上司が前面に立たず、部下を押し出す勇気を持つことが上司のチャレンジです。
 そして、部下は未知の仕事にチャレンジして日々の結果をきちんと報告すること、上司は結果のチェックと的確な指示をすることが双方のチャレンジ成長の秘訣です。
 しかしチャレンジは、すべてが成功につながるとは限りません。一度の失敗を恐れることなく工夫と行動力でチャレンジしていく、そして二度と失敗させないまわりの協働と心配りが大切です。
 49年前の東京オリンピックが日本経済を大きく成長させる糧になったように、7年後のオリンピックを道標として国政が経済再生とともに福島原発の終結に向かってチャレンジしていくこと期待するとともに、そのチャレンジ精神を学びたいものです。

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