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社長ブログ

日日是好日

 2月27日の株主総会で、20年間務めていた社長職を退任することにしました。この20年間、沢山の人に支えられて、「ほんとうにありがとうございました」
 私が親会社の常務取締役から今の会社の社長になったのは、平成15年2月、49歳でした。建設業界は、公共事業費が大幅に削減された時代で、沢山の地元ゼネコンが倒産しました。建設コンサルタント業界もご多分に漏れず、何社も廃業しました。
 弊社も平成15年の数年間、リストラや減給をするなど社員と共にこの苦難な時期に活路を見出すべく奔走しました。この時期があったからこそ、民間市場の本格展開が進んでいったのだと思います。
 そして今、4年目を迎えた新型コロナ感染、昨年勃発したウクライナ戦争、これまでにない物価高、延々と続く公共事業費抑制と、未だ先の見えない経営環境になっています。
 そして今年の初め、大きなニュースを目にしました。トヨタ自動車の豊田章男氏の社長退任の報道です。会社の規模では比べようがありませんが、同じ社長という立場で、心境を思い量りました。
 一族経営でカリスマ的な存在でありながら多々の苦難を乗りきって、これから電気自動車との競合という自動車業界が大変革の時期にさしかかった時だからこそ、後継者に託す英断は、「時代の変わり目の時だからこそ、今、未来を後継者に託す」とされたのでしょう。
 さて社長退任にあたり、建設業界に入って47年間の経験から、仕事の流儀をお話しします。
 私は大学を卒業して36歳まで14年間現場監督をしてきました。自分の采配で施工がいかようにもなる土木の現場が本当に好きでした。現場管理の中で、今でも私の流儀になっているのが、「段取り八分で、後の成果が決まる」です。土木現場で協力業者に施工をお願いするときに、どの現場でも社内単価は変られないところで、協力業者が自分の方に向いてくれるポイントがありました。それは施工の段取りを良くして儲けてもらうことです。ある協力業者の社長が土木部長に「〇〇君の現場は段取りが良いから入るが、〇〇君の現場は段取りが悪くて儲からないので嫌だ」と言われていました。
 このことは、社内で仕事を協働していくときにも当てはまります。そして、皆さんが段取りを良くするためには、日々に先を見る目(先見性)を養うことが大切です。
 リーダーシップについても一つお話しします。私は39歳で30名近く在籍したゼネコンの土木部長になりました。三分の一は年上であり、中には現場で指導をいただいた人もいました。そのような中で組織を動かしていくために心したことは、最後は自分で決める、決めたことは実行する、納得できるまで話し合う、強い行動力を持つことでした。
 部長の時、子会社を設立する時期と重なり、何人もの優秀な部下が移籍しました。その時、社長に直談判に行ったのですが、社長からは「上の人や優秀な同級が抜けることは、残って頑張ろうとしている社員にとってはチャンスである」と、諭されました。
 そうなんだ、ピンチはチャンスなのです。現実をプラス思考で捉えるか、マイナス思考になってしまうかで、その後の成長が決まってくることを学びました。これが、「仕事の成果=能力×熱意×考え方」の原点であり、京セラ創業者稲森和夫さんが主宰された盛和塾での教えです。

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